三鷹 二葉 様
今回は、東京三鷹市の三鷹 二葉 様にお話をお伺いいたしました。
お店を代表する伝統の「ばらちらし」
「芸者さんが醤油でお着物を汚さずに食べられるように、と作られたのが、このばらちらしなんです。味がついているので、そのまま召し上がれますよ」(大将)
かつて神楽坂にお店を構えていた「二葉様」は、ご親族のお店。
当時、花街であった神楽坂で多くの芸者さんが、そのばらちらしを召し上がっていたそうです。
三鷹 二葉様でもこのばらちらしの味を引き継ぎ、長く愛されるメニューのひとつです。
魚介は、旬のものを使うため、月や時季によっても具材の種類が違うそう。
今回は、真ん中に雲丹があしらわれ、穴子、鮪、鯛、えび、いくら、数の子などの魚介が宝石のようにちりばめられていました。
箱を含めて450gほどの重さ。ずっしりと詰まった大満足の内容でこちらは1人前です。
<使用商品>
折:多聞杉 ちらし折
付属品:竹 双生箸 21cm
多岐にわたるお客様からのご注文
病院関係者や議員、芸能関係者など多岐にわたるお客様から、日々ご注文を受けていらっしゃいます。
個人のお客様からは、飛び込みでご注文を受けることもしばしば。
「今は時代なのか、法事でもばらちらしを注文される方がいてね。華やかなちらしで、みんなで笑って明るく見送るみたい」(女将様)
桶や容器を持参して、ばらちらしを持ち帰る方もいらっしゃるそうです。
「一度に作れる量は多くて60個ほど。1日で合計すると100個くらい作ることもありますね」(大将)
ただ、大口の注文が重なってしまうとこれ以上は受けられないため、時間差で承ることも。
「注文がたくさん入ったときは、急いで折峰さんに折箱の注文を入れちゃいます(笑)ありがたいことに、遠くからでも皆さんが受け取りにきてくれるのは助かっています」(大将)
夏は保冷剤をつけて提供されていて、大口のご注文を引き取りに来られるお客様のために、保冷バッグも用意されていました。
<使用商品>
折:黒柾 8寸
付属品:バラン 山型 小
「折にはこだわりたい」というお店の思い
「お客様からもご好評いただいていて、容器を捨てるのがもったいないくらいと言われます」
「私もこの折は大変気に入っています。丈夫で大きさもちょうどよく、不便もない。器が悪いとお料理の見栄えも悪くなるから、折はいいものを使いたいですね。最近は、値段がどんどん上がってしまっていてね。それでもいいものだから使いたいと思うんですよ」(女将様)
目をひく鮮やかな緑色の掛紙
「掛紙は、何色か種類がありましたが、今はこの緑色1種類なんです」
「この鮮やかな緑色は、見たお客様にとって印象に残るみたいで。あるお客様先の病院でこの掛紙を見た同じ病院の別の方からも注文がくるように。あの緑の掛紙といえば『二葉さん』と思ってもらえているようで嬉しいんです」(女将様)
大将が作ったちらしや握りは、女将さんが手早く掛紙をかけ、シデ紐で結びます。
10秒足らずで1個を包み終えます。
そこにお吸い物と箸をセットして出来上がり。
様々なお客様から長く愛されるばらちらしを始めとした三鷹 二葉様のお寿司の数々。
その折にはこだわりを持ち、いいものを提供したいという思いが大変印象的でした。
<使用商品>
付属品:シデ紐 歌舞伎 3号巻
竹 双生箸 21cm
三鷹 二葉様
〒181-0013
東京都三鷹市下連雀3-29-4
ご協力いただきありがとうございました。
2024.09.11