第4回 チモイ窯の器の魅力 ーLAMP様ー
2025.05.29
第4回 チモイ窯の器の魅力 ーLAMP様ー

目次:チモイ窯の器の魅力
第1回 チモイ窯の器
第2回 チモイ窯を訪ねて
第3回 和どころ みやざわ様
第4回 LAMP様
第5回 和の食いがらし様
チモイ窯と宮澤さんを繋いだLAMP藤森様
前回は、宮澤さんがチモイ窯の器に出会い、その魅力に迷いながらも、『器でもっとお客様に喜んでもらうことができるかもしれない』との想いでチモイ窯の器に決めたお話を伺いました。そして、その器を通じて、お客様と新たなご縁が広がっていくお話しも印象的でした。その背景には、瑞江のカレー店『LAMP』の店主、藤森さんの存在があります。今回は、藤森さんがどのようにチモイ窯と出会い、その器を自身の料理に取り入れながら、どのような想いでお店を、会社を経営されているかに迫ります。
まず店に入るとスタッフの方が声をかけてくれた。その感じがなんとも良く、瞬時に「あ、良い店だな」と感じた。その店員さんが店主の藤森さんでした。
チモイ窯のお話を聞くだけでなく、ランチもいただきに来ました。


折峰
今日はお時間いただきありがとうございます。
藤森
いえいえ。どうぞお座りいただいてお待ちください。
前菜のサーモンのマリネ。早速チモイ窯の器。この時点で料理としての強さや個性が引き立つ。もちろん味も絶品の美味しさです。



そしてメインのカレー
なんとも言えないオリジナリティのある見栄え。
これは欧風カレーでもない。インドカレーと言っていいものなのかわからないが、食べたことのない美味しさ。
料理は、高校の時から自分の食べたいものを作り始めたことが始まり
お茶をチモイ窯の器に入れていただく。


折峰
食べたことがない味でびっくりしました。これはインドカレーというジャンルになるんですか。
藤森
ありがとうございます。インドカレーでもなく、言ってみればスパイスカレーなんですかね。このジャンルって定義がないんです。なのでオリジナルのものではあると思います。
折峰
そしてまた、器がよく合っているというか、最初のサーモンのマリネも器の力がありますよね。もちろん味も美味しかったんですが、あの器に乗っているとさらに美味しく見えるというか。
藤森
そうですね。白い洋食器も好きだし、良さはあると思うんです。でもこのひとつひとつ形が違って、重ねにくい感じもまたいいんです。
折峰
カレーにもなんとも言えない相性というか、いい感じでした。このカレーには相当こだわりがあるのではないですか。
藤森
こだわりというより、趣味の延長で作り始めたんです。今でも自分のことは料理人とは思ってないんですよね。
折峰
そんなふうには全く見えません。お店の雰囲気もテーブルもとても雰囲気がよく、“らしさ”があるというか。



折峰
どこかでカレーの修行をされたんですか。
藤森
いえ全然自己流です(笑)。料理は好きで、高校生くらいの時から作ってたんです。いろんなものを作っていました。
折峰
高校生から!何か原体験的なものがあったんですか?
藤森
それが特にないんです。単純に料理を作ることに興味があったんですよね。強いて言えば、家のカレーをもっと美味しくしたいと思って作っていたとかですね。
水産高校卒業後、フィットネス業界に就職するも、経営の理不尽さに納得がいかず退職。
その後、兄のつてで園芸の会社でバイトをすることに。
料理の道へ ー 偶然が導いたホテル業界
藤森
園芸とかそういうの好きだったんですよね。それでそこでバイトすることになりました。
そうこうしてると、兄は中華の料理人だったんですが、その友人からホテルのサービスに向いているからやらないかって誘われたんです。
折峰
藤森さん当時から働きぶりがよかったんですね
藤森
そのホテルにバイトならいいかな、って面接に行ってみると、社員扱いになってて(笑)。だまされたんです。しかも後から勘付いたんですが、兄を引き抜くために僕をまず雇ったみたいです。
このホテルでサービスの基礎を学ぶ一方、趣味で料理を作り続ける藤森さん。
やがて、お酒への興味が高まり、バーテンダーとしての道を歩み始める。
その後、上場企業の福利厚生バーの立ち上げ、NY発の青山の寿司店の立ち上げなど、次々と経験を積んでいった。
藤森は自分らしさを貫いたらいい
藤森
寿司店ではそうそうたる芸能人が来るところで。それでも3年くらいで潰れちゃったんです。
結局そういう華やかな人たちだけでは飲食店としての経営は立ち行かないんですよね。経営者がやりたいことと飲食店として成り立つことに溝があるなあって思いました。
折峰
経営者の方は派手なことがしたかったんでしょうね…。藤森さんはそんな中でも、料理はやっぱり趣味で作ってたんですか。
藤森
作ってましたよ。その寿司店で、賄いも作っていましたし。そこのシェフに、「藤森の料理は独創的だよ。調理師の学校とか行く必要ないしそのまま藤森らしさを貫いたらいいよ」って言われたのは覚えてますね。
渋谷「ポツラポツラ」の再生と、チモイ窯との出会い
藤森
いろいろ経験したんですが、一度、カウンターの商売見ときたいなって思って、渋谷の「ポツラポツラ」にホールで入って。そのうちに、店の調子が悪いっていうんで、店主から相談を受けたんです。
店主が国産ワインを売り出して行きたいって相談で。僕は酒のことだいたい分かってるし、良い酒蔵も知ってたんで、良い日本酒を入れて。その店は神奈川の方から良い野菜も入ってきてたんです。店主のフレンチの経験を活かして野菜のテリーヌ、良い豚肉持ってるところと知り合いだったんでそれを入れたり。他の職人は和食上がりがいたからその人が刺身やったり魚をやったりで。当時「国産ワインなんて…」っていう状況だったんですけど、うまいものもあるし、その中でもヴィンテージの2002とか2003のものと2017とかとの飲み比べを丁寧にお客さんに説明したりと工夫したんです。
折峰
それはお客さん喜びますね!しかしタレントが揃ってたんですね。
藤森
そうなんですよね。揃ってました。日本酒もワイングラスで香りを楽しんでもらおうとか。1から組み立て直したんです。
藤森
そしたら、ビールはサッポロを使っていたんですが、サッポロさんから山手線の動画広告に出ないかっていう誘いが来て。立て直したメニューをそこに当てたんです。そしたら大ブレイクして。食べログで4点以上で100銘店に入るし。予約が取れない店になったんです。
藤森
そういうことがきっかけで雑誌にも載ったんです。それでおそらくそういう雑誌を見て、チモイの由美さんから電話が来たんです。
折峰
なるほど!その時期にチモイ窯と出会ったんですね
藤森
よく女性が運んでこれたなというくらい、スーツケースにパンパンに器を入れて運んできて、僕が対応したんです。元々器にも興味があったんで。
折峰
何でも興味があったんですね
藤森
ある程度勉強して、器の知識はあったんですよ。それで、出してきた器を見せられた時、すごくいいものだとすぐわかりました。だけどこれだけ釉薬を使ってたら、大体このくらいの値段するだろうなと予想はつきました。
折峰
そこまでの知識があったんですね。
藤森
そしたら思った以上に良い値だったんで、個人的に買わせていただいたんです。
折峰
そんなことあるんですね(笑)。個人的に買うなんて。
藤森
せっかく重い思いして来てくれてるのもあったし、いいものだったんで(笑)
そこから由美さんに出口屋っていう酒屋を紹介したんです。出口屋はたくさん良い和食店を顧客に持っていたので。
折峰
そういうことだったんですね。繋がりました!和の食いがらしの五十嵐さんは由美さんを「出口屋」さんから紹介されたと話してたので。
藤森
由美さんからは窯出しにどうぞと誘われていたんですけど、忙しくてなかなか行けなくて、行けたのはそれから3年後くらいかなあ。それからは家族ぐるみで仲良くさせていただいています。
2013年代々木八幡で「SPICE POST」を開店することに
仕事に疲れ、飲食に疲れ、子供もいて。
でもカレーは作ってた。そして慕っていた兄が数年前に不慮の事故で障がいを持つことになった。親と喧嘩があったりで、藤森さんは兄を引き取り面倒を見ることにした。
藤森
当時兄の友人もよくうちに遊びに来ていて、カレーをふるまったりしてたんです。その人から「のぶちゃんのカレーにハマっちゃったんだよね」と言われて、あ、おれのカレーは「ハマるんだ」と思ったのを覚えています。それで「うまいから絶対お店出したほうがいいよ」とも言われていたんです。
その人が代々木八幡にあるバーを紹介してくれました。ランチがうまくいかないから昼は何もしてなかったみたいで、誰かランチやってくれる人を探していたみたいです。
「やってみたら」と軽めのノリで誘われて。
それで、その周辺を1週間くらい調査してみたんです。人の流れやどんな人がいるのか。
それでこれは勝算があるぞと思ってやることにしました。
折峰
さすが!そんなに調査してもわかる人はなかなかいないと思いますが…
藤森
店は狭くて6席しかないんです。ここでやるならカレーしかないなと思いました。
折峰
最初からカレーと思っていたわけではないんですね。
藤森
そうなんですよ。そのくらいの席ならひとりで回すにはカレーがちょうどいいなと思いました。
お兄さんと共にカレー店始めることになる
藤森
店ってひとり客が居れば入りやすいんです。だから兄を6席のうちの1席にいつも座らせておくんです。
折峰
そういうものなんですね。
藤森
そうなんです。兄にもそうやってやりがいというか、手伝ってもらいたくて。
折峰
ほんとお兄さん想いで泣けてきます…
藤森
5席なんで3人入ったら待っててもらう。そうすると外に待ちの列ができる。そんな作戦で、1ヶ月目から売り上げが立ったんです(笑)
自分の店は全部チモイ窯でと決めていた

藤森
そこで使う器はやはりチモイ窯と決めてたんですよ。その時すでに結構買ってたんですけどね(笑)店を出すことに決めてから『全部チモイ窯でいくから』と瑞晃さんと由美さんに伝えてカレーに合わせて作ってもらいました。
折峰
もう決めてたんですね
藤森
決めてましたね。それで、カレーなので、食べやすいよう返しをつけてもらったりしてます。
料理を120%にする器
藤森
僕、100円のコールスローを1万円のチモイの皿を使ったりするんです(笑)
折峰
ほんとですか!?それは何か意図があるんですか。
藤森
うまいものがあったとする。料理としてはそこが100%じゃないですか。でもチモイの器に入れるとそれが110%にも120%にもなるんですよ。
折峰
それはすごく分かります。料理は味だけじゃなく、器や見た目も含めた体験ですもんね。
藤森
そうなんです。
折峰
チモイ窯の器のどこが魅力だと感じますか。
藤森
触ったらわかりますよね。この重さと重厚感ですよ。あとは瑞晃さんと由美さんの人柄ですよね。
折峰
重いし個性的だし、そんなに器のことは分かりませんが、どこにもない雰囲気があると直感で思います。
藤森
そうですね。料理人を考えさせる器ですよ、チモイの器は。使う料理人によっては、ある意味使いにくいと感じることがあるかもしれないです。個性的ですから。瑞晃さんの中にもこういうものを作りたいというものがありますからね。
瑞江に姉妹店「LAMP」を出店、宮澤さんとの出会い
折峰
どうして瑞江に店を出すことになったんですか。
藤森
後輩が、ここで和食の店をやってたんですけど、やめることになって、店を引き継ぐことになったんです。瑞江で飲食店をするならここら辺のお金持ちが集まる店があるから、挨拶しといた方がいいって紹介するということで、『和どころ みやざわ』さんに連れて行ってくれたんです。
折峰
瑞江のドンみたいですね(笑)
藤森
そしたらもうオープンから少し経っていたんですが、宮澤さんがうちの店に開店祝いのお花を贈ってくださったんです。
折峰
あぁ、そういうのいいですねえ。
藤森
そんな感じでお互いお店を行き来するようになって。それで器の話になりチモイ窯を紹介したんですよ。
折峰
なるほど!そういう流れだったんですね。宮澤さんの話とも繋がってきました!
好きなもの×カレー

折峰
夜はやっていないんですね。
藤森
そうなんですよ。飲食に限らずどこも人材不足だし、夜の時間に入れる人を探して、ガツガツするのも違うなと思って。
うちはスパイスの卸とかコンサル的なこともやっているのもありますし。
折峰
そうなんですか。
この藤森さんのカレーを食べたらコンサル頼みたくなりますよ
藤森
コンサルもしますし、スパイスを卸してるので作り方教えるからそれで作ってもらえばできちゃうんですよね(笑)
折峰
え!作り方教えちゃうんですか。
藤森
全部教えちゃいます。スパイスの調合はかなり微妙で繊細なところなんでこっちで作っておくから、それを使ってもらえばっていうスタンスです(笑)
折峰
オープンなんですね。
藤森
自分たちだけ儲けようとか、そういうことでやりたくないんです。
折峰
どういうことですか?
藤森
いろんな店を見てきたんですが、ひとりだけ儲けようとしてもダメなんですよ。
結局僕の人生、いつも人に助けられているんです。ほんとにそれは縁ですね…
だから小さくてもみんなが好きなことをしながら助け合って、良くなっていけばいいと思って会社を経営しています。
社員のみんなにも、今、趣味で好きなことがあれば、それとカレーを掛け合わせちゃって個人的にやってみなよって話してるんです。うちで覚えたカレーをツールにして、自由に好きに生きていければいいんじゃないかなって。
折峰
やっぱり最後は人ですもんね。
藤森
今この瑞江でもうちの店が、ということではなく、街全体として何か盛り上げたいという想いでそういう仲間と色々計画してるんです。
折峰
そんなこともされているんですね。とても楽しみにしています!
お忙しい中、長い時間インタビューをさせていただきました。私たちもすっかり「LAMP」の藤森さんのファンになってしまいました。
料理のジャンルは違いますが、宮澤さん、藤森さんの店作りや心配りは相通じる温かさを感じました。こうやってチモイ窯が伝わっていった背景を聞き、この物語にどっぷりと浸かっていく感覚でした。
今回お話を伺った藤森さんのお店「LAMP」様

LAMP
〒133-0065 東京都江戸川区南篠崎町3丁目7−9 アルル・ミズエ
Instagram:https://www.instagram.com/lamp_99_
次回予告
第5回和の食いがらし様
チモイ窯の器を使うか迷っていた宮澤さん。決断を後押ししたのは、五十嵐さんの店で目にした料理と器の見事な調和でした。その素晴らしい使い方に触れ、宮澤さんはチモイ窯の器を使う決意を固めたのです。次回は、五十嵐さんがどのように料理と器を融合させ、お客様に感動を届けているのかをお届けします。
目次:チモイ窯の器の魅力
第1回 チモイ窯の器
第2回 チモイ窯を訪ねて
第3回 和どころ みやざわ様
第4回 LAMP様
第5回 和の食いがらし様
器についてのお問い合わせ
チモイ窯
〒321-4212
栃木県芳賀郡益子町上大羽2170
Tel:0285-72-8125
E-mail:chimoistore@gmail.com
Webサイト:https://chimoi2000.wixsite.com/chimoi-gama/chimoi-gama
オンラインショップ:https://chimoi.stores.jp/
インスタグラム:https://www.instagram.com/chimoigama/
折峰本社で展示しています
「第1回 チモイ窯の器」の記事でご紹介した器は、5月19日(月)より折峰の本社にて展示しております。ぜひ実物をご覧ください。
※折峰では販売はしておりません。ご購入の際はチモイ窯から直接お買い求めください。
※お越しになる際は事前にお電話でご予約をお願いいたします。
折峰本社
〒135-0005
東京都江東区新大橋1-5-10
Tel:03-3633-1207
月~金:9:00-16:00 (祝日は休業)
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