事例紹介 - 2018.11.05 MON

熟成鮨 万(よろず)様のお土産を拝見してきました!

都心の閑静な高級住宅街のマンションの三階に2018年9月にオープンした「熟成鮨 万」様。

オープン前にお土産のパッケージのご相談を頂き、折箱、ゴム、手提げ、掛け紙をご依頼いただきました。掛け紙は別注品で名入れ印刷させていただいております。今回はお土産として開発中のものを見せて頂きにやってきました。

お選びいただいている折箱は、竹皮折 正方形。いったいこの折箱にどんなものが入るんでしょうか。

お店の看板も何もなく、オートロックのマンションのエレベーターを上がり、扉が開くとそこはマンションの一室ではなく、いきなり「万」ワールド全開の空間広がっています。

和モダンな雰囲気と優しそうな店主 白山様がいらっしゃいました。

早速店内を案内していただきました。

カウンターのほかに4名、6名の個室が二部屋あります。

白山様は開店前は生まれも修行も大阪、この店ができる前は、大阪で店を任されていたそうです。

ーどうやってここに決めたんですか?

紹介を頂いたんです。現場は見ずに地図を見て決めました(笑)。駅からは少し遠いけど閑静で少し行けば六本木、渋谷、恵比寿と大きな街は近いし。芸能人の方もふらっとお忍びでいらしたり。落ち着いていて、ここで良かったと思ってます。

ー大阪にいらしたんですね。

そうです。前々からこっち(東京)に来たいなとも思ってたんで。ほんとに縁ですね。僕だけではできませんでした。お世話していただいた方々に感謝しています。

ーしかしお若そうですよね...?

今年29歳です。11年修行しました。寿司屋になると決めてたんです。高校を卒業してまず寿司屋に入って、そこで2ヶ月目でここは2年だ、と思って、「2年したら辞めます」って言っておいたんです(笑)。それでほんとに2年でやめて。そのあと8年働くことになる寿司店の店主が僕のおやじ(師匠)です。35歳までに独立するというのも公言していたんです。

ーすごいですね!実際お伺いしてほんとにマンションの一室で看板も何もなくて知る人ぞ知るようなお店だと思うんですが、掛け紙にはちゃんと名前をいれてますね。

そうですね。広く知れ渡りたいという想いもありますが、誰も彼も来るというより…

そもそも僕の鮨は好みがはっきり分かれるんで。

それは熟成鮨っていうことでですか?

いや、それよりもシャリに関してなんですが、僕は結構、赤酢を強くするんです。塩もほとんど入れないんで。酸味も丸くもしないし。

株式会社飯尾醸造の富士酢

修行されてたところがそうだったんですか?

いえ、全くのオリジナルです。

酢が強い方が合うな、塩が少ない方がいいかなと試行錯誤した結果なんです。

万人受けのもの作ってもありふれてるからしょうがないし、ある程度尖ってもいいかなと。特に東京は寿司屋が山ほどあるんで、お客さんに興味を持ってもらわないといけないですからね。

ただ、「熟成」って何?っていうファーストインプレッションで引きがあっても、2回目、3回目の来店の時に個性を持っていないといけないと思ってます。

ならば万人受けのようなすり寄ったことをするより、自分がやりたいこと突き詰めてやろうって思ったんです。

熟成5日目の鯵

ー熟成の技術はどこで覚えたんですか?

独学です。

熟成に関しては師匠はいないんです。

最初に修行した寿司店にいる時に色々な店に食べ歩きをしてて、その日に〆た鯛と3日ほど寝かした鯛を食べさせてくれた店があったんです。断然寝かした方がうまくて。その時から「熟成(当時はそんな言葉はなく漠然と寝かす技法と思っていた)」をやろうと思って独学でここまでやってきました。

とにかく熟成させることで引き出される魚の旨味を多くの人に味わってもらいたなと。その思いでやってきました。

ー都内にも熟成鮨はたくさんありますよね。そういう店とはまた熟成方法が違うんですか。

熟成方法は職人によって方法がまったく違います。

僕はまず魚の血抜きを独自の方法でしていました。そのあと、今すごく広まっていますけど、宮崎の水産会社の「津本さん」ていう方がyoutubeにアップしている血抜きの方法を見つけてすぐに会いに行き、シメた後に圧迫させて血を抜く方法を教えていただいたんです。

その方法を元にしながら自分の熟成の段階を勝手に命名したりして。津本さんには血抜きの方法を名乗っていいよと言われてます(笑)

なので、僕の鮨は、「津本式究極血抜き」と「白山式熟成法」で出来上がってます。

ー本当に独自なんですね。

江東区の天ぷらの「みかわ是山居」さんや科学的なアプローチの「龍吟」の山本さんなど、物事を全く違った見方をしていてすごく尊敬できます。

自分の道を貫いた結果、独自の世界観で世間の評価も高いですし、勇気をもらえます。自分の道を貫いたら大丈夫なんだって。

実際、自分が美味しいと思っても、お客さんが本当に美味しいと思うのかなと迷うになることもあります。でも自分が美味しいと思うものがそこにあるわけだから、自分に嘘つくくらいだったらやめたほうがいいかなと。

熟成ができない環境がなければ多分寿司屋は辞めます。自分がやりたいことをできなかったら意味はないですから。

「熟成」は、物流の発達、調理器具発達、料理に対する嗜好の発展、ガストロノミーの考え方がでてきたからこそ生まれてきた新しい文化だと思います。なぜお魚に直前に塩をするのか、塩をして時間が経つとなぜ臭みがなくなるのか、旨味ってなんなんだろう、人間が美味しいって思うのはどういうことなのかな、などなんでも掘り下げて勉強していかなければいけないと思ってます。今僕は全部説明できる。今はネットで調べられたり勉強できる環境がたくさんありますし、人と繋がることも出来ますしね。

ーそこまで突き詰めてらっしゃるんですね。話は変わりますが、お店の名前は?万人に、という意味ではなく?

万(よろず)の意味として誰にでもという意味ではなく「色々な」という意味で捉えています。 

お魚を色々な食べ方で食べて欲しいという意味です。

ーそんな「熟成」のお店が出すお土産は非常に気になりますが、お土産を始めたきっかけは何だったのでしょうか?

まず、今のお土産のアイデアの基は、金沢の寿司店、弥助さんが小松にあった頃、バクダンおにぎり「弥次喜多」を見て面白いなあ、と思ったことが最初です。

それに発想を得ておにぎりのようにやってみたんですが、うちのシャリには砂糖が入ってないので、翌日に食べても美味しいんですが、パラパラすぎで崩れちゃうんです。海苔で巻いだだけだとネタはしっとりするのですがうまくいかない。ならば、巾着寿司みたいに錦糸卵で巻いちゃおうかなと。

おもしろい!大阪的ですね。ネタ、海苔、シャリ、最後に錦糸卵と。

ネタも店で出したものの端を使うんです。もともとネタを綺麗なところだけで使いたいので思い切ってネタの端を多めに切っているんです。普通の寿司屋ならネタとして使えるくらいのもので。それを賄いにしてもいいけど、どうせならお客さんにお土産として楽しんでもらった方がいいなと。

お土産って、お父さんが「こういうものを食べてきたよ」と渡して、奥さんやお子さんが次の日に食べて「こんな美味しいとこあるんなら私たちも今度連れてって」とか、お一人の方なら次の日食べて昨日の味を思い出してもらうとか、そういうことだと思うんですよね。2日目まで記憶が残こればかなり強いインパクトがあるんじゃかなと思います。

ーお土産が最高の広告ツールというわけですね。

そうなんですよね。

ー折峰をご利用いただいた経緯は。

大阪からきて内装工事からオープンまでの間、東京の鮨を食べ歩きしてて、そんなとき銀座の「鮨 とかみ」さんのところに食べに行ったのがきっかけで「暇ならうちに来る?」って声をかけてもらって。気づいたら2ヶ月半いました(笑)その流れで「はっこく」さんを紹介いただいたりと。その二つのお店で東京のことを色々教えていただいてたんです。ただ、両店舗とも持ち帰りはやっていないので、折箱屋のツテはなくて…。それで築地の場外歩いていたんですよ。それで「折屋さんありますか?」ってそこら辺の人に聞いて。で折峰さんを教えてもらって、外から少し見て、ネットでも見て。相談乗ってくれそうだなと思って連絡しました。

折も色々見せてもらって、そしたら掛け紙も印刷してくれるってことで、「え!?印刷もしてくれるんすか!」ってことでしてもらったんですよね。

ーこの竹皮で出来た折箱にしたのは何が決め手だったんですか?

折峰さんにいろいろ見せてもらった時の直感でですが、「懐かしさ」かな。


懐かしさですか。お若いのに。

竹皮で棒寿司を包んでいるイメージですかね。昔のお土産っぽい。

(平成元年生まれの白山さんが懐かしく思う当時の大阪の食文化に想いを巡らせてしまった。きっと当時の東京とも全く違うんだろう。)

店では、陶器だったり、木をベースにしてるんで、折も木だったら普通だし、プラスチックなら違和感あるし、竹皮なら存在感もあるのでテーブルに置いてあると、お客さんも「なにか作ってるな」って思うじゃないですか(笑)。


実際に試作品を作っていただきました。

今日は簡易的にマグロで作っていただきました。

海苔でネタを巻く

その上からシャリで包む

さらに錦糸卵で包む

ー折が若干大きいですかね。

二つ入れようかなとかもう少し大きくしようかなとちょっと試していて。

ーあ、ちょっと待ってください。こちらに試作品の小さい折がありまして(と山本が試作品を出す)

ちょうどちゃいますか!笹敷いてガリ入れたらちょうどいいですね!これがほしかったです(笑)

ーたまたま写撮りようにもってました。恵方巻き用に商品化予定ですのでその際はご案内いたします!

ー手提げも白ではなくあえて茶色ですか。

そうですね。店内もちょっとモダンにしてあるので白はちがうかなと思って。

ーいい感じですね!

本日はいろいろとお伺いさせていただき本当にありがとうございました!

石のコースター

めずらしい六角のらんちゅう箸


細部のこだわりを惜しむことなく尽きることなくお話いただけあっという間に一時間を超えてしまいました。

関西のお土産の折箱などまだまだ聞きたいことが出てきてしまいました。

以上熟成鮨 万様の取材でした。


今回のお土産でお使い頂いている弊社の在庫商品です。